診療案内 外科系
歯石
歯石除去前は歯石だけでなく口臭も目立ちます。
歯石を除去し歯周ポケットの処置も施します。
ぐらつきのある歯は抜歯します。
抜歯&歯石処置
歯石が歯根部分まで侵すと抜歯が必要になります。
犬歯や切歯(前歯の部分)は歯石除去で済みました。
ネコの歯周疾患による不正咬合
ネコが口を閉じられずヨダレを流しっぱなしという主訴で来院しました。
診察すると上顎犬歯(牙)がぐらつき、内側に入りつっかえ棒の役目をし口を閉じられなくなっていました。
抜けてしまえば問題なかったのですが抜けずに中途半端な状態でとどまったのが原因です。
右写真の様に抜歯処置後、口を閉じられるようになったのでよだれが止まり食欲も戻りました。
歯根膿瘍
歯石が付き奥歯(臼歯)の根の部分が膿むと目の下が腫れてくることがあります(右写真の向かって右側)。場合によっては写真右のように排膿することもあり、通常は抜歯処置が必要になります。
唯一の予防法は歯のケアです。
乳歯遺残
左の写真では犬歯(牙)の後ろ(左側)に乳歯が残っています。
犬歯の前方(右側)も乳歯です。
右の写真は犬歯部分の乳歯を抜歯したものですが写真の様に乳歯の歯根がしっかりしていると抜けないで残存してしまうことがあります。
比較的、小型犬で見られる事が多いです。
当院では避妊、去勢時にチェックし乳歯があれば同時に抜歯します。
犬歯(牙)切断
咬み癖のある犬の犬歯(牙)を水平にカットする事により、咬まれた時に負う傷を最小限にします。
上下の切歯(前歯)とほぼ同じ高さになるように切りそろえます。
露出した歯髄を保護、処置し、他の歯の歯石を取って終了です。
犬歯をカットしても噛まれれば痛いことに変わりはありません。
上段の写真とは別の症例です。
よく見ないとわかりにくいですが犬歯(きば)の前の切歯(前歯)の一番後ろの歯も鋭利でなく平らにカットしてあります。
エプリス
「エプリス」と言って歯肉部に発生する腫瘤です。
左の写真の犬歯後部にある塊が「エプリス」です。
右の写真は同犬の手術後です。
エプリスは良性のものが多いですが悪性のものもあります。
エナメル上皮種
エナメル上皮種と呼ばれる腫瘍性病変ですが悪性度はありません。
1年後に再発が認められたため再手術を実施するか検討中です。
口腔内腫瘍
口腔内の歯肉部分に発生を認めた腫瘍です
(左写真中央右側の黒い部分)。
写真右側は手術後の写真です。
手術直後で赤くなっている部分もきれいになりその後も再発していません。
悪性黒色腫
上顎の口唇部分に腫瘍塊を認めました。
口腔内の腫瘍は要注意です。
手術により全摘出を実施しました。
病理検査の結果、悪性の腫瘍でした。
犬の去勢手術
犬の去勢手術後です。
切開部位に絆創膏を貼るのみです。
(現在は絆創膏もなしです)
エリザベスカラーはしません。
退院後の消毒も必要ありません。
1週間後に抜糸をして終了です。
犬の避妊手術
柴犬の避妊(メス)手術後です。
子宮と卵巣を全部摘出します。
写真右の様に絆創膏のみ(現在は絆創膏もなしです)を貼って退院になります。
去勢同様エリザベスカラーはしません。
退院後、自宅で患部の消毒もありません。
去勢手術(猫とウサギ)
同日に猫とウサギの去勢手術がありましたので精巣を比較してみました。
体形はウサギが1キロ、猫が4キロです。
ウサギの精巣が上(大きい方)で猫が下(小さい方)です。
げっ歯類(ウサギやハムスター等)は体に比較して精巣が大きいです。
当院では去勢手術の際に縫合はしません(縫合する程、切開しません)ので抜糸に再度、来院するということはありません。
猫の避妊手術
猫の避妊手術は正式には「子宮・卵巣全摘出術」といい子宮と卵巣を全部取ります。
左の写真の上部が卵巣で「V字」の部分が子宮になります。
およその手術後の傷跡が右の写真です。
エリザベスカラーと呼ばれる首に巻く傷口なめ防止のカラーはつけません。
1週間で皮膚を縫合した糸を抜糸します。
腹腔内は全て吸収糸で処置します。
犬の子宮蓄膿症
犬の子宮に膿が溜まる病気です。
写真左は比較の為にボールペンを置いています。
この症例は5キロ程度の小型犬でした。
通常の子宮の大きさはボールペンより細いです。
犬の子宮は2つあるのですがその一方にのみ、膿が溜まっていました。
写真左の犬とは別の症例です。
猫の子宮蓄膿症
避妊手術を実施していない猫に認められます。
避妊手術を実施することにより防げます。
写真のネコから摘出いたしました。
通常の子宮の大きさは写真左の子宮上部のペンより細い位です。
中身は写真左の様に膿で充満していました。
犬の肝臓の変性病変
指で示している部位が肝臓でその表面に変性が認められています。
この子は太っていたので腹腔内が脂肪で充満していました。
(指の左側が脂肪です)
猫の糸状異物
猫は糸状のものが好きです。
写真左は裁縫用の縫い針で針山に刺してあったものです。
糸で遊んでいるうちにそのまま針まで飲み込んでしまいました。
(写真は実際に飲み込んでしまったものです)
写真右は荷物を縛るポリエチレン製の紐です。
これも実際に飲み込んだもので口からその端が出ていました。
机上論では引っ張れば良さそうなものですが実際にはそうはいかず手術になってしまいました。
裁縫用の糸で遊んでいるうちに舌の中央部分に巻きついてしまいました(写真左)
舌は血行障害で壊死寸前でした。
写真右は糸を取り除き3日後です(まだ腫れは残っているものの動かせるようになりました)。
その後、普通に食べられるよう回復しました。
フィラリア(犬糸状虫症)
写真左は心臓から摘出したフィラリア(犬糸状虫)の成虫です。
フィラリアは治す病気ではなく予防する病気です。
予防のための投薬は是非、行ってください。
写真右は1匹のフィラリアです。
画面中央左側部分がらせん状になっているのでオスの成虫です。
断尾&断狼爪
ヨークシャテリアやプードルなどの犬種は生後数日で断尾をします。
またプードルは前後肢に狼爪があれば同時に取ります。
生後数日であれば無麻酔で行います。
右の写真は切断後の尾と爪です。
尾端部壊死
尾の先端が血行障害により壊死してしまいました。
写真の状態までなってしまうと内科的療法では治療ができないので尾の切断することになります。
現在は再発することもなく多少短くなった尾をぶんぶん振っています。
膣過形成
雌犬の外陰部から突出している肉片が・・・
膣過形成といい避妊していない雌犬に発生が認められる場合があります。
押し込めば陰部内に返納できるのですがまたすぐに出てきてしまうので通常は手術により摘出します。
同時に避妊手術も行います。
陰睾丸
写真左はオス犬の去勢前の状態です。
通常、睾丸(いわゆるタマ)は2つあるのですがこの子は向かって右の1個しか見当たりません。
もう片方は腹腔内に残っています。
このことを陰睾丸とか潜在睾丸とか睾丸の下降不全と言います。
こういう睾丸は腫瘍化しやすいので開腹し摘出します。
写真右は左の写真の犬から実際に取り出した精巣です。
右が下降してきたもの
左が腹腔内にあり下降不全であったもの
大きさもこれだけ違います。
腹腔穿刺
心臓病などの循環器が悪くなると腹水や胸水が貯留してくる場合があります。
初期から中期は内服薬で対応できるのですが末期になると内服薬では対処できなくなってくる場合があります。
写真右はお腹に針を刺し直接、腹水を抜いている状況です。
左の写真と比較してもかなりお腹の張りが少なくなってきています。
約6キロの犬で2000ml(約2キロ)以上も抜くことができました。
猫の消化器型リンパ腫
腸管の内腔が狭窄することにより腸閉塞を起こします。
閉塞している部分の腸管を摘出します。
写真右は手術時の状況で腸管の端々縫合(写真鉗子上部部分)により吻合。
手術後の食欲回復と糞便を確認し退院に至りました。
こう傷事故
犬同士や猫同士でけんかをして咬まれる場合があります。
動物は毛があるので傷の状態が解りにくいです。
縫合して治療する場合と縫合せず傷口を開放したままにして治療する場合があります。
首の部分を咬まれてしまったプードルです。
咬み傷は傷部分が小さいので、咬まれた可能性がある場合は患部を注意深く観察することが必要です。
落下事故
自宅の2階から飛び降り、運悪く園芸用の棒が腹部貫通した事故です。
写真右は手術後の抜糸時の状況ですが元気に飛び回れるようになりました。
ただ、突き刺さった事には懲りていないので脱走対策等何か必要かもしれません。
交通事故
交通事故により緊急搬送されてきたネコです。
右眼球逸脱、上顎骨折、下顎骨折、右前肢麻痺という重症でした。
写真右は手術後1か月の状態です。
上顎、下顎骨折のため、3週間近く自力では食べられませんでしたが、現在は自分で食べられるようになりました。
右眼に後遺症は残っているものの日常生活に支障をきたさないところまで回復しました。
鼠径ヘルニア
雌犬に多く発生が認められ足の付け根の鼠径管から腹腔内の脂肪や臓器が皮下に脱出します。
鉗子(中央の銀製の器具)で開いているのが鼠径管です。
通常より穴が大きくなってしまったのでお腹の中の臓器などが皮膚の下に出てきてしまいます。
手術で穴をふさぎます。
ネコの乳腺腫瘍
ネコの乳腺腫瘍です。
ネコの乳腺腫瘍は犬の乳腺腫瘍に比べて悪性度の比率が高いです。
この症例は左側乳腺腫瘍で大きかったので腋下(脇の下)から大きく切除することになりました。
右の写真は術後約1か月の経過後です。
繊維肉腫
ネコの悪性腫瘍の1つである繊維肉腫です。
四肢に発生が認められたものは断脚も検討します。
繊維肉腫は悪性度が高いので経過観察を必要とします。
ワクチンとの因果関係も指摘されているため、猫のワクチンは大腿部に接種するのが原則です。
猫の下部尿路疾患(膀胱炎)
膀胱から尿道にかけて細菌感染をおこしたり、尿石などで傷をつけたり場合によっては尿道閉塞を起こし排尿できなくなる場合があります。
オス猫の場合は尿道閉塞を起こすリスクが高くなり排尿できず写真にあるようにカテーテル(ストローみたいな管)を尿道に挿入し膀胱内を洗浄する処置が必要になるケースも出てきます。
排尿処置後、石や結晶の成分にもよりますが食事療法が必要になります。
陰睾丸(猫)
陰睾丸はこのページの上部で犬の場合で説明しましたがネコでも稀に認められます。
写真左は赤いラインを引いてある部分が通常の精巣(タマタマ)で、本来青い部分にもある精巣が認められません。
こういう症例の手術は正常に陰囊に降りてきているものは通常の手術で摘出し下降してきていない精巣(本来青い部分にある精巣)は開腹手術により摘出します。
ですので写真右のように切開部は2か所になります。
犬の陰睾丸の手術よりネコの陰睾丸の手術の方が難易度は高いです。
皮膚裂傷
何らかの原因で皮膚が裂けてしまっての来院です。
この様な裂傷は出血もあまりない場合があります。
患部を消毒、縫合し1週間程度で抜糸になります。